はじめに
「サポートブック徹底解説」を受け取っていただきありがとうございます。
この解説書は、みなさんがサポートブックを攻略して、よりよい支援を得られるようにするための方法を解説しています。ぜひ参考にしてくださいね!
お願い
サポートブックは、書いて終わりではありません。
よりよい支援を受けるためには、小学校の先生と何度も面談を重ね、サポートブックに記載された内容を理解してもらうことが必要なので、初めは少し面倒と感じる人もいるかもしれません。
でも、継続してよい支援を受け取るには、必ず通ってほしい関門の一つです。
よい支援を先生に提案できたら、先生も「よし、それならやってみよう!」という気持ちになるかもしれませんし、
よい支援を受け取れたら、ママもうれしいので、お互いにWin-Winですよね!
ここでやる気を失わずに、サポートブックを見返してみたり、今から準備する方は全体を把握したりしてみましょう!
サポートブックと支援ファイルの違い
サポートブックを攻略するには、いろいろなネーミングの違いについて理解する必要あります。
発達障害のあるお子さんについての大切な情報を、教育・療育・医療関係者等お子さんの周りの人たちに伝えるのがサポートブックなのですが、自治体によって名称が異なります。
- サポートブック
- サポートファイル
- 支援ファイル
- 潤いファイル
- つなぐノート etc
これらは全て、お子さんの情報を記した用紙を綴じてあるものになります。
ここで知っておいてほしいのが、自治体によって
- 保護者からの情報のみ…主にお子さんについての情報を、指定された様式に記入し、関係各機関に「見せる」ことが中心のもの
- 保護者からの情報+保育者や教員が園・小学校での目標や実際の様子を書き残していくもの…いわばボリュームアップバージョン
の2パターンあるんです。
お子さんの特性を知って保育や教育に生かしていくには、いきなり支援方法がドンピシャだったということは少なく、多くは試行錯誤の上、よい支援方法を見つけ当てます。その履歴を残しておくというのが、後者のサポートブックのパターンです。
サポートブックとは
今回のこの解説では、「サポートブック」の2パターンのうち、園や学校がよりよい支援の目標やフィードバックを書いて残していくパターンについて書いています。
サポートブックとは、お子さんを「どんな状態(ゴール)に連れていくのか」をまとめたもので、保育・教育の芯になる部分でもあります。
- お子さんの
- どんな状態を
- どう解決し
- どんな状態に連れていくのか
をしっかり言語化してまとめていくことで、より先生とママ双方が、共通認識をもって子どもを育てていくことができます。
サポートブックがなぜ大切なのか
もともとは、ママが同じことを繰り返し説明する手間を省かせることも、目的の一つにあったかもしれません。
ですが、実際に教育現場でこのサポートブックを扱ってみて、教育するにも、「どう考えてどんな教育をしていきたいのか」はママさんにしっかり伝える必要があると感じていました。
それは、いろいろな目標を立てても、最終それがどんなゴールに向かっているのかを伝えておかないと、日々ママに成果をフィードバックするのに、毎回目的を伝えなくてはならないからです。
同じことはきっと、ママであるあなた自身も感じていると思います。
お子さんについての情報は言われる通りたくさん用意したものの、どのゴールに向かっていってほしいのか先生に伝えておかないと、「何となくズレてます…!」ということが生まれてしまっていませんでしたか?
サポートブックがあれば、
- 先生もママも、発信に一貫性が出る
- よい支援について、具体的に考えるための「芯」がはっきり分かる
- 芯が伝わっていれば、よい支援についてさらに具体化させることができる
が可能になります!これによって、あなたは数多くいる支援が必要なママさん達から、頭一つ抜きんでることができます。(他のママを差し置いて…ということではありません。)
サポートブック作成のやり方
では早速、サポートブックを作っていきましょう!
サポートブック作成の注意点
独自のサポートブックを作る前に、次の注意点を把握しておきましょう!
- 基本的には自治体のテンプレートに則って作成しましょう。
- ここで準備するのは、そのテンプレートにプラスアルファで準備する内容だと思ってください。
- ほしい支援はなるべく実現可能な内容にしましょう。あまりにも現実とかけ離れていると、サポートブック自体があまり読まれなくなってしまいます。
これらに注意しつつ、「サポートブックにぜひ書いてほしい」内容を以下で解説します↓
サポートブックにつけてほしいのはこれ!
サポートブックには基本情報の他に、どんなゴールに連れて行ってほしいのかを明確にした「要約シート」を入れておきましょう。
そこには次の4点を盛り込んでください。
①入学前の発達検査の結果
基本的に、小学校前の発達レベルについては、小学校の先生は専門外ですので、発達検査の数値だけ見てもピンとこない先生もいます。
なので数値より「〇歳程度の遅れがあった」などと具体的に書きましょう。
②療育で力を入れていた内容
例えば「眼球運動が苦手」「姿勢保持が苦手で行儀よく座れない」など、お子さんが決してふざけたりさぼったりしているのではなく、
発達が追い付いていないがゆえのことであることは、ここでしっかりと書いておきましょう。
③最高のパターン
園では〇〇が見られた→でも△△のおかげで改善した
これを明示しましょう。この△△の部分がかなり具体的な方がよいです。
「先生のおかげで」よりも「先生の声かけのおかげで」の方がいいですし、
さらに「先生の否定しない声かけのおかげで」や「先生が小さな声で教えてくれる役割を果たしてくれたおかげで」の方がよいです!
どちらかというと、ママの頑張りでというよりは、ママ以外の支援者によって成功したものを書くとよいでしょう。(その方が学校でも取り入れられやすいです)
④最悪のパターン
園で見られた最悪のパターン
をズバリ記しておきましょう。
「園に行けなくなった」「先生との人間関係が壊れると、他の先生も全て避けるようになった」「癇癪を起こすと物を投げて、友だちをけがさせてしまった」
など具体的で、小学校でも同じようなことが起こりそうなことを書いておきましょう。
少し強めの言葉でも、ママが一番避けたいことがここで分かります。
そうすると、先生はそこから逆算して目標や対策を立てたりすることができます。
ぜひ、今まで起こったことをふり返って、できれば何が原因だったのかを深堀りしておきましょう。
まとめ
いかがでしたか?大事なポイントが分かってきたでしょうか。以上の4点をしっかり記載することで、よりよい支援が受けられるようにしていきましょう。
サポートブックは確かに大切ですし、より細かく記入してももちろん有益ですが、大事なのは「読まれる」ようにしておくことです!
これができていないと、例え頑張ってかいても、方向性がずれている…ということになりかねないんです。
もちろん要約シートを書いて終わりではありません。これをもとに、情報と想いを伝え続けることが必要不可欠です。
面倒な作業だとは思いますが、ぜひ少し時間をとって向き合ってみてください。お子さんとママにとっての小学校ライフが少しずつ変わっていくと思います!