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「自閉症」と「自閉症スペクトラム」の違いを言える?
最近では「自閉症スペクトラム(ASD)」という言葉を耳にすることが増えましたが、従来から使われていた「自閉症」とは何が違うのでしょうか。
この記事では、自閉症スペクトラムと自閉症の違いを中心に、基本的な特徴や診断の変化について分かりやすく解説します!
自閉症と自閉症スペクトラムの定義の違い
まずは、それぞれの用語の定義について整理しましょう。
自閉症とは?
自閉症(Autism)は、かつて「広汎性発達障害」の一種として分類されていた発達障害です。
特徴としては、以下のようなものがあります。
- 対人関係の困難(人との関わりが苦手)
- 言語やコミュニケーションの問題(話さない、会話が一方通行)
- 同じ行動を繰り返す(手をひらひらさせる、決まったルーティンを守る)
- 感覚過敏または鈍感(音、光、触覚への過敏さ)
このように、明確な症状が見られた場合、「自閉症」という診断名で呼ばれていました。
自閉症スペクトラムとは?
一方、自閉症スペクトラム(ASD:Autism Spectrum Disorder)は、2013年にアメリカ精神医学会が発表した「DSM-5」という診断基準で登場した新しい概念です。
スペクトラム(Spectrum)という言葉は、「連続体」や「幅」を意味します。
つまり、症状の重さや特性が人によってさまざまであることを強調した呼び方なのです。
「自閉症」「アスペルガー症候群」「特定不能の広汎性発達障害」など、以前は別々に分けられていた診断が、
すべて「自閉症スペクトラム」という一つのカテゴリに統合されました。
自閉症と自閉症スペクトラム、実際の違いは?
診断名としての違い
今では「自閉症」という診断名は使われなくなり、すべて「自閉症スペクトラム障害(ASD)」として診断されます。
ただし、以下のような違いがあります:
用語 | 現在の位置づけ | 主な特徴 |
---|---|---|
自閉症 | 過去の診断名(今はASDに統一) | 重度の特性が目立つケースが多かった |
自閉症スペクトラム | 現在の公式診断名 | 軽度〜重度まで幅が広い |
症状の幅に対する理解の違い
「自閉症」と聞くと、重い障害を想像する人が多いかもしれません。
しかし、「自閉症スペクトラム」という概念は、「知的に高い人」や「一見普通に見える人」も含まれる幅広いものです。
たとえば:
- 会社勤めもできるが、対人関係に強いストレスを感じる
- 小さな音やにおいに強く反応してしまう
- 興味が極端に偏っている
このような「軽度」とされるケースも、自閉症スペクトラムの一部です。
周囲の理解がカギになる
自閉症スペクトラムの特性は「見た目では分かりにくい」ことが多いため、周囲の理解がとても重要になります。
たとえば:
- 指示は具体的に伝える(「ちゃんと」や「適当に」では伝わらない)
- 環境の変化には時間をかけて慣れさせる
- 感覚過敏への配慮(イヤーマフやサングラスなど)
こういった配慮があるだけで、ASDの人たちは安心して自分らしく過ごすことができます。
また、本人自身が自分の特性を理解し、対処方法を身につけていくこともとても大切です。
まとめ:自閉症と自閉症スペクトラムの違いを正しく理解しよう
いかがでしたか?
自閉症と自閉症スペクトラムの違いを正しく理解し、「自閉症だからあなたはこっち」といった分断を生まないような社会にしていきましょう。
このブログでは、「発達障害」「療育」についていろいろな記事を書いているので、他にも見ていってくださいね!
この記事が、「自閉症」と「自閉症スペクトラム」の違いを知りたかった人の役に立ちますように。