
「あれ?子どもが私の手を使ってブロックを動かそうとする」
それって「クレーン現象」!これが出ると、もうすぐ発語もあるかもしれません。
「クレーン現象」って知っていますか?
この記事を読めば、「クレーン現象」とは何か、子どもの発達がどこまで進んでいるか分かります。
ぜひ参考にしてください!

クレーン現象とは?

クレーン現象とは、子どもが大人の手を使って、自分の要求を伝えることです。保護者や他の人の手を引っ張りながら物を操作してもらおうとします。
例えば、ブロックを積み上げたいなら、ブロックを積み上げさせたり、「中に何が入っているのか気になる」のであれば、隠れているものを出してもらおうとしたりします。
本来ならば言葉や指差しで、それらのことができるのですが、言葉が出ていなかったり、指差しが出ていない場合はこのようなケースが見られます。
自閉症スペクトラム障害や知的障害の子どもによく見られますが、そうでない子がすることもあります。
なぜクレーンをする?
一般的に、自閉症スペクトラムの子どもは、人よりもモノへの関心が強いため、クレーンとして手を使われる相手の気持ちより、物事の達成の方を重要視します。
そのため、ついついママの手を使ってしまうことが多いようですね。

さらの息子も、リハビリ中に「このブロックの通りに積み上げてね」という課題をするのに、
自分でできないからか、私の手を持ってブロックを操作しようとしました。
発語が近い?【実体験より】
クレーン現象は、子どもの「〇〇したい」という気持ちが生まれて、はじめて成立するものです。
なので、これは私の推測ですが、
クレーン現象が起こる→発語が近い
と考えてもよいのではないかと思います。

さらは、リハビリ中に「クレーン現象が出ていますね」と指摘されてから半年後、
3歳半あたりで、「ママ」という言葉が言えるようになりました!
クレーン現象が出たときには

このままクレーンを続けさせていていいのかな?
時には、こんな相談を受けることもあります。
そんな時にお伝えしている2つのポイントがあります。
クレーン現象を受け入れる

クレーン現象は、子どもが「〇〇したい」と思う気持ちがあってこそ。
ママの手を使ってでも、それを達成させたいと思う気持ちを、褒めて認めてあげましょう。
そうすることで、クレーン現象への見方がずいぶん変わります。
また、いずれ消失していく現象だということを考えてみると、
クレーンが愛しく思えてくることでしょう。
伝えたい意図を確認する

子どもがクレーンをした時には、
「何がしたいのか」「何を伝えたいのか」を、言葉にして伝えてあげましょう。
例えば、「このブロックを積み上げたいんだね」や「絵本の次のページが見たいんだね」といったようにです。
それによって、コミュニケーションの質が高まり、
指差しや発語といったコミュニケーションにつなげていくことができます。
上記のような言葉がけをした際には、
「ブ・ロ・ッ・ク」
「え・ほ・ん」
など、物の名前を丁寧にゆっくり発音してあげることも大事です。
まとめ【クレーン現象はこわくない】
クレーン現象=障害ではありません。
子どもの発達段階の一つであり、その子が今できる、最善のコミュニケーション方法です。
先を急がず、クレーン現象の瞬間を「尊い・・・」と思ってみましょう。
そうすれば、いくらか気持ちがラクになるかもしれません。
少なくとも、私にそう思うことで、クレーン現象による「これをやめさせなきゃ」という思わずに済みました。
この記事が、ママたちの役に立ちますように!
※私さらは、言語聴覚士さんの訓練にてこの「クレーン現象」を知りました。言語聴覚士については以下の記事も参考にしてください。