こんにちは。
療育カフェを作ろうとしている、元小学校教員のさらです。
今回は、ママとなかなか離れない「母子分離不安」について、
「うちの子、もしかして発達障害なの…?」
というご質問をいただいたので、
その回答をシェアしていきます。

あなたのお子さんは、ママからなかなか離れられないことあった?
「小学校に元気よく通ってほしい」「なかなか私(ママ)から離れないんです…」
など、ママにはいろんな気持ちがわきますよね。
それらを解決すべく、正しく分かりやすく、お話していきます!

結論、母子分離不安=発達障害ではない
結論から言うと、母子分離不安があるからといって、
その子が発達障害であるとは言えません。
母子分離不安とは、「子どもが母親から離れることに強い抵抗を示す」ことで、
もちろん発達障害の子の中には、母子分離不安をもっている子もいますが、
発達障害ではない子にも、母子分離不安の症状が出る子はいます。
母子分離不安の症状
母子分離不安の症状は、一般的には以下のようなことが挙げられます。
母子分離不安の症状
- 小学校低学年に多く見られる
- 母親の愛情や関心をたびたび確認し、それをすることで落ち着く
- 母親から離れることに抵抗を示し、母親が見えないところに行くことを嫌がる
- 母親の膝に乗るなど、幼児退行現象(赤ちゃん返り)が見られる
これらのことは、どの子にも起こりそうですよね。
ただ、その程度が大きいと、
「母子分離不安である」と言われる、ということです。
母子分離不安の初期段階
母子分離不安は、一気に起こるというよりは、徐々に徐々に程度が大きくなります。
(もちろん程度が大きくならないうちに、消失することもあります。)
その初めの段階としては、
- 今まで一人でできていたことが、一人でできなくなる(着替え、持ち物の準備など)
- 登校を渋るようになる
- 登校時間になると腹痛を訴えたり、「友だちがいない」などと不安を口にすることが出てくる
などのことが挙げられます。

はじめは、「あれ?ちょっと変だな」と思うくらいのものです。
小学校の現場で見ていると、一年生なら一クラスに5~6人はいるイメージです。
母子分離不安が強くなると…
初期段階で母子分離不安が改善されないまま悪化すると、
- 母親が一緒にいても、泣いて登校したがらない。
- 学校の中でも、母親がそばにいないと、座っていられない
- 友達が遊びに来ても、隠れてしまって会おうとしないこともある
ことが多く、小学校に行くのも一苦労状態になります。
ただし、これが「滅多にないこと」かというと、実はそうではなくて、
現場感覚でいうと、一年生なら毎年クラスに2~3人いるように思います。
ただし、子どもによって、その母子分離不安が落ち着くまでの長さが違います。
どのように対応すればよい?
母子分離不安への対応の仕方は、子どもによってそれぞれ違いますが、
主に次の3つが有効であるとされます。
子どもの気持ちを受け止める
無理にママと引き離そうとせず、
母子登校を許可してもらうなど、柔軟な対応を学校にもお願いしましょう。
初期段階であれば、母子登校だけでも状況は改善されていくことが多いです。
もちろん、下校の時間に途中まで迎えに来てもらうことも、子どもの安心につながります。
ママの都合が合うのなら、一案として取り入れて、子どもの不安な気持ちを受け止めてあげましょう。
ママ以外の人とも信頼関係を作る
母子分離不安の間は、「ママだけを信頼している」状態ですが、
担任の先生や保健室の先生など、
学校内にも信頼できる大人を作ってあげましょう。
一朝一夕にはできませんが、少しずつ信頼を積み上げて、
ある程度のところまで来たら、ママからバトンタッチできると良いですよね。
学校生活に見通しを持たせる
「母子分離不安」の「不安」の部分が、
「学校で何が起こるか分からない」ところにあることがあります。
発達障害の子に母子分離不安が出やすいのは、
こういった理由が元となっていることもあるので、予め、
「どんな行事があって、どう動けばよいのか」
「どんな学習があって、(楽しい内容であれば)どこに参加できるか」
などを情報として子どもにも共有してあげましょう。
先生によっては、子どもの好きな活動を、レギュラー活動として取り入れることも、
できなくはありません。
上記のようなことは、先生の協力なくしてはできませんが、
うまくいけば、子どもは早い段階で、先生との信頼関係を築くこともできます!

よって、先生との情報交換は密にできるとよいです。
まとめ:母子分離不安はこわくない

小学校の先生は、多くの先生が母子分離不安の子どもに対応した経験を持っています。
少しでも「これが母子分離不安なのかな?」と思ったら、相談してみましょう。
学校に相談しづらければ、医療機関や相談機関でもよいと思います。
ママのためにも、一人で抱え込まないようにしましょう。
この記事が、「母子分離不安」が気になるママの役に立ちますように。