こんにちは!発達障害のあるお子さんを育てるママを、オンラインでサポートしているさらです。
発達に不安のあるお子さんを育てていると、「療育手帳」の取得をすすめられることがあります。

たいてい、発達検査や知能検査で
IQやDQを出すのですが…
「IQってどうやって測るの?」「まだ小さいけど、IQ検査できるの?」「DQってなに?」
と疑問に思うことも多いのではないでしょうか。
この記事では、「療育手帳の取得に使われるIQ・DQの目安」について、わかりやすく解説します!
1.療育手帳の取得に使われるIQとは?目安や基準も紹介
療育手帳とは、知的発達に遅れがある人が、さまざまな福祉サービスや支援を受けるために必要な手帳です。
この手帳の取得には、「知能検査(IQテスト)」の結果が使われます。
● IQってなに?
IQ(知能指数)は、知的発達の程度を数値化したもので、以下のように区分されています。
IQの値 | 判定の目安 | 療育手帳の対象になる可能性 |
---|---|---|
85~100以上 | 平均以上 | 対象外 |
70~84 | 境界域(グレーゾーン) | 必要に応じて検討される |
69以下 | 軽度~中等度以上の知的障害 | 対象になりやすい |
IQが69以下だと「知的障害」と判断されることが多く、療育手帳の交付対象になる可能性が高まります。
ただし、判定はIQの数値だけではなく、日常生活での支援の必要性なども含めて総合的に決められます。
2.どんな検査をするの?
療育手帳の判定でよく使われるIQ検査は、主に以下の2つです。
● WISC(ウィスク)
正式名称:WISC(ウィスク)知能検査
→ 主に6歳〜16歳の子どもを対象とした知能検査。
言語理解、ワーキングメモリ、処理速度などを測定し、全体のIQを出します。
学校や発達センターなどで受ける機会があり、療育手帳の判定にも使われます。
● 田中ビネー式知能検査
→ 幼児〜成人まで使える検査。WISCが難しい子にも対応しやすく、柔軟性があります。
これらの検査を受けた結果、IQが一定の基準(一般的には69以下)を下回ると、療育手帳の対象になる可能性が高まります。
3.5歳以下の子はIQじゃない?
「まだ小さくてIQ検査ができない場合は?」ということもありますよね。
そんなケースでは、IQではなく「DQ(発達指数)」が使われます。
● DQとは?
DQとは、Developmental Quotient=発達指数のこと。IQと同じように、子どもの発達の度合いを数値で表します。
計算式は以下のとおり:
DQ = 発達年齢 ÷ 実年齢 × 100
たとえば、実年齢が3歳(36ヶ月)で、発達年齢が2歳(24ヶ月)なら:
DQ=24 ÷ 36 × 100=66.6…
このように、DQも100が平均で、数値が低くなるほど発達の遅れがあると判断されます。
● DQの目安と療育手帳
DQの値 | 判定の目安 |
---|---|
85以上 | 平均の発達 |
70~84 | グレーゾーン(要観察) |
69以下 | 発達の遅れが明確(療育手帳の対象となり得る) |
● 使用される発達検査の例
5歳以下の子どもには、以下のような検査でDQを算出します。
- 新版K式発達検査(K-test):言語、運動、社会性などの総合評価。
- 遠城寺式乳幼児分析的発達検査:自治体の健診などで使われる定番。
これらの検査によってDQを出し、その結果をもとに療育手帳の交付を判断していきます。
まとめ:IQやDQの数値だけじゃない!手帳の判定は「生活のしづらさ」も重視
IQやDQは、あくまで一つの目安です。

数値だけで決まるわけではありません。
実際には、「日常生活での困りごとがどれくらいあるか」「支援がどれくらい必要か」など、実生活における支援の必要性を加味して、総合的に判定されます。
「発達に不安があるけど、手帳を取った方がいいのか迷っている…」
そんなときは、まずは市区町村の発達相談や児童相談所に相談してみるのがおすすめです。
この記事が、療育手帳を取得しようかどうか迷っているママの役に立ちますように。