こんにちは!発達障害のある子を育てるママを、オンラインでサポートしているさらです。
学校教育の現場では、子どもたち一人ひとりに丁寧な指導が求められる一方で、教職員の人手不足や業務の過重が課題となっています。
そんな中で重要な役割を果たしているのが「加配制度(加配教職員定数)」です。

「加配の先生」という名で、聞いたことあるかもしれません。
今回は、「加配制度とは何か?」「加配教職員定数の仕組み」「現状の課題と今後の展望」について解説していきます。

加配制度とは?目的と基本的な考え方
「加配」とは、「加える配置」の略で、基準よりも多く教職員を配置する制度のことを指します。
正式には「加配教職員定数」と呼ばれます。
学校には、学級数や児童生徒数に応じた「標準の教職員定数(標準定数)」が設定されています。しかし、実際の教育現場では、それだけでは対応しきれない場面も多くあります。
たとえば:
- 特別な支援を必要とする児童がいる場合
- 日本語が理解できない外国籍の子どもがいる場合
- 不登校の児童が多い場合
- 学力保障やいじめ防止に力を入れたい場合
こうした状況に応じて、標準定数に上乗せして教職員を配置するのが「加配制度」なのです。
この制度により、子どもたちの多様なニーズに柔軟に対応しやすくなり、教職員の負担軽減や指導の質の向上が期待されています。
加配教職員定数の具体的な仕組み
加配教職員定数は、文部科学省が定めた基準に基づいて、都道府県や政令指定都市などが具体的に算出・運用しています。
主な加配の種類
加配の対象や目的に応じて、さまざまな種類があります。
- 特別支援教育加配:障害のある児童・生徒への支援のために配置
- 少人数指導加配:学力向上や個別対応のために、クラスを分割して指導できるように配置
- 日本語指導加配:外国人児童への日本語教育支援
- 不登校支援加配:不登校児童への個別支援や家庭訪問のために配置
- 初任者指導加配:新人教員の育成支援のために配置される指導教員
これらは各自治体の判断と必要に応じて配置され、年ごとに見直しが行われています。
加配教員の雇用形態
加配教員は、常勤教員(正規教員)の場合もありますが、臨時的任用教員(任期付き)や非常勤講師として配置されることも多く、自治体や学校ごとに形態はさまざまです。
加配制度の現状と課題、そして今後
加配制度は、子どもたちに寄り添った教育を実現するうえで欠かせない仕組みですが、いくつかの課題も指摘されています。
課題①:加配が足りない現場も多い
全国的に教員不足が深刻な中、加配の定数が確保できない学校も増えてきました。本来は加配が必要な状況であっても、配置できる教員がいないために制度が機能していないケースもあります。
課題②:雇用の不安定さ
加配教員は、非正規雇用であることが多く、毎年契約が更新される不安定な働き方になりがちです。そのため、教員側の負担感や離職率の高さも課題となっています。
課題③:自治体間の格差
加配の予算や方針は自治体によって異なるため、地域間で配置の差が生まれやすいという問題もあります。子どもの学ぶ環境が「住んでいる場所」で左右されることへの懸念も高まっています。
まとめ:加配制度の理解が教育支援の第一歩に
加配制度(加配教職員定数)は、学校現場のニーズに応じた柔軟な人材配置を可能にする重要な制度です。しかし、教員不足や雇用の不安定さ、自治体間の格差といった課題も多く、今後の制度改善が求められています。
保護者や地域の人々がこの制度の意義を知り、現場の声に関心を持つことは、よりよい教育環境づくりにつながります。
子どもたち一人ひとりが安心して学べるとよいですよね!
この記事が「加配制度」について知りたいママの役に立ちますように。