こんにちは!発達障害のある子を育てるママを、オンラインでサポートしているさらです。
子育ての中で、「うちの子、ちょっと他の子と違うかも…?」と感じたとき、「発達障害かもしれない」という言葉が頭をよぎることがあるかもしれません。
最近では「神経発達症(しんけいはったつしょう)」という言葉もよく使われるようになりましたが、「結局、発達障害とどう違うの?」と感じているママも多いはず。
今回はそんな疑問にお答えしながら、「神経発達症」という言葉の意味や由来、そして「発達が劣っていることなの?」という不安への答えを、解説していきます。
1. 「神経発達症」とは?──「発達障害」との違い
まず結論から言うと、「神経発達症」は「発達障害」とほぼ同じ意味で使われます。
ただし、使われ方に少し違いがあります。
- 「発達障害」は日本の法律(発達障害者支援法など)で使われる言葉。
- 「神経発達症(Neurodevelopmental Disorders)」は、医学的な診断基準であるDSM-5(アメリカ精神医学会の診断マニュアル)で使われる正式な診断名。
つまり、「発達障害」は日常や支援の場で使われやすい表現で、「神経発達症」はお医者さんが診断名として使う表現なんですね。
2. なぜ「神経発達症」という名前が使われるの?
「神経発達症」という言葉は、「神経の発達の過程で通常とは違う部分がある」という意味を持っています。
では、この“神経の発達”とはどういうことなのでしょうか?
◎ 脳の中で何が起きているの?
脳の中には、記憶・注意・感情・言語・運動などを担当するさまざまな神経ネットワークがあります。
これらのネットワークは、赤ちゃんが成長していく過程で少しずつつながり、役割を果たしていくようになります。
神経発達症のある子どもたちは、このネットワークのつながり方や発達のタイミングが、平均的な子どもたちとは違っているだけなのです。
それによって:
- 感覚を処理する部分(視覚・聴覚・触覚など)が敏感だったり、鈍かったりする
- 注意や集中をコントロールする脳の前頭前野の働きが不安定
- 言葉の理解や表現をつかさどる部分の発達がゆっくり
こうした脳の「つながり方の違い」が、行動や感情、学び方に影響を与えているのです。
3. 「発達の仕方が違う=劣っている」ではありません!
ママたちにとって、いちばん気になるのはここではないでしょうか?「うちの子は人より劣っているのかな…?」と不安になるかもしれません。
でも、安心してください。発達の違い=劣っていることではありません。
たとえば、ある子は走るのが得意。別の子は絵を描くのが上手。
それぞれの得意・不得意があるのと同じで、神経発達症の子どもたちも、脳の得意な部分と苦手な部分のバランスが違うだけなんです。
◎ 発達の“方向”と“スピード”が違うだけ
発達は、本来とても個人差の大きいもの。ただ、社会や学校の中では「こうであるべき」という枠があって、そこにうまくはまれないと「困っている子」になってしまいます。
でもそれは、社会の基準に合いにくいだけで、本人が悪いわけではありません。
たとえば:
- ADHDの子は、注意が散りやすいけれど、好奇心が旺盛で行動力がある
- ASDの子は、空気が読みにくいけれど、細かい観察や集中力に優れている
- LD(学習障害)の子は、読み書きが苦手でも、想像力や空間把握が得意なことがある
できることを伸ばしながら、苦手なところはサポートしていく。それが神経発達症の子どもたちにとってのベストな育ち方です。
まとめ:子どもはみんな、違っていい。
「発達障害」でも「神経発達症」でも、それは診断の名前であって、その子のすべてではありません。
ママに知っておいてほしいのは、「うまく発達していない」ことは「劣っている」ことではないということ。
違いがあっても、安心できる関係の中で、子どもはちゃんと育っていけるということです。
迷ったとき、心配になったとき、ひとりで抱え込まずに、まわりの支援を頼ってみてくださいね。
この記事が、「神経発達症」について知りたかったママの役に立ちますように。